「折れ線グラフと散布図は何が違うんですか?」といったご質問をいただくことがあります。
見た目には似ていますが、次のような違いがあります。
■ 主な違い
-
散布図は縦軸(Y)も横軸(X)も数値データです。項目軸という概念はない為、軸に文字列は表示できません。折れ線グラフは横軸(X)が項目軸
、又は日付軸です。
-
散布図は「来場数と売上金額」「温度と収穫量」など、2つの数値データに関係があるかを調べたい時に利用します。
-
折れ線グラフは1つの物事の移り変わり(時系列に沿ったデータ等)を調べたい時に利用します。
-
散布図はX軸、Y軸の数値を組み合わせて1つの要素にし交点にプロット(描画)します。折れ線グラフはX軸、Y軸それぞれの要素で描画します。
-
折れ線グラフは1系列につき系列数値の指定は1範囲(Y軸)のみです。散布図は1系列につきX軸・Y軸の2範囲を指定します。
-
散布図は基本的に1系列(例:1人の人物の身長と体重)、折れ線グラフは複数系列(例:子供達の身長)に適しています。
■ どちらを使えばいいのか
散布図
◎
-
数値データを2種類使ったグラフを作成したい(例:来客数と売上金額など)
-
横軸(X軸)の目盛りの最小値・最大値・間隔などを細かく指定したい
-
項目軸で値の集合を作成したい場合(項目軸がランダム順・重複などの数値データ(1組,3組,2組,2組,3組…等の表示)を同じ種類でまとめられる)
折れ線グラフ ◎
-
数値(Y軸)と項目または日付(X軸)でグラフを作成したい(例:各生徒の科目と点数
)(例:毎月の入場者数)
-
横軸(X軸)に項目文字列を表示したい
-
横軸(X軸)の目盛りで日付の間隔を○日・○カ月・○年で指定したい
-
不定期な日付データ(1日,5日,8日,16日…など。折れ線グラフは軸のオプションでテキスト軸にすることで表示可能)
どちらでも作成可能
■
散布図が適しており、折れ線グラフが適していない例(X軸・Y軸ともに数値軸)
例えば各家庭の「月収と食費」の関連性を調べ
ます。これは2項目とも金額なので数値です。この2項目で折れ線グラフと散布図を作成
してみましょう。
-
折れ線グラフ…「月収」と「食費」2つの系列によるそれぞれの要素で値を表示するため、2つの数値の関連性が分かりづらい。折れ線グラフは縦軸(Y)は数値軸、横軸(X)は項目軸なので項目データがない場合横軸は1,2,3…と自動表示される(1系列につき指定できる系列値は1つ(Y軸)のみ)データは項目軸(横軸)上で等間隔にプロットされる。
-
散布図… 「月収」と「食費」の値を組み合わせて交点に値を表示するため2つの数値の関連性が分かりやすい。縦・横軸ともに数値軸なので数値を表示できる。1系列につき2つの系列値(Y軸・X軸)を指定できる。
■
折れ線グラフが適しており、散布図が適していない例(項目軸が必要、物事の移り変わりを調べる)
各生徒の科目ごとの点数をグラフで表示したいとします。各生徒のデータなので生徒が系列です。グラフのデータは科目と点数なので項目軸(X)と数値軸(Y)を利用します。折れ線グラフではX軸に項目が表示されるため分かりやすいグラフになりますが、項目軸のない散布図ではX軸が数値になってしまいます。
■ 散布図・折れ線グラフの特徴(まとめ)
散布図 |
折れ線グラフ |
-
X軸、Y軸ともに数値なので軸に文字列を表示できない。(文字だと1,2,3…で表示)※但し表示形式で数値を文字列にできる(1組,2組…など)
- 元データは数値またはシリアル値を入力する必要がある
- X軸、Y軸ともに目盛りの間隔・最少値〜最大値を指定できる
- X軸、Y軸の数値を組み合わせて1つのデータ要素にし交点に表示する
- X軸、Y軸の値を指定できる
- 日付の目盛りは○日・○か月・○年単位での表示はできない。
- ランダムな数値項目(1組,3組,2組,2組…等)を項目軸でまとめられる(値の集合)
|
- X軸は項目軸、Y軸は数値軸である
- 横軸(X)は項目軸なので文字列または日付となる
- 要素は項目軸である横軸(X)に沿って等間隔に配置される。(折れ線グラフの数値軸は1つだけ縦軸 (Y軸)である
)
- 横軸(X)では日付の目盛りを○日・○か月・○年単位で表示できる
- 横軸(X)で値
の集合にしたいなら数値入力であれば軸のオプションで日付とすればよい(例えば1組~3組がランダムに複数ある場合に組ごとにまとめ
たいなら元データを数値入力(組は表示形式)とし、軸のオプションで「日付」にし1900/1/1〜1900/1/3にし目盛り間隔を1とすればよい
。サンプルあり)
|
|