Excelでは、時刻は実際は全て"シリアル値"という数値で格納されています。時間に関する様々な計算は、このシリアル値で認識されているからこそ可能となるのです。シリアル値という数字は見づらいので、通常は私達が理解しやすいようにhh:mmや、hh時mm分 等の形に変えて表示しています。入力時は、hh:mmの形で入力すればシリアル値として格納されます。
▼ 時刻のシリアル値の例
★1分(0:01)をシリアル値にするなら、1:00(0.0417÷60)=0.00069です。
↑のように、24時間でシリアル値「1」となります。よって、通常の数値は24で割ればシリアル値と同じになります。例えば、3時間
をシリアル値にするなら3÷24 →0.125で出せます。また上記のことから、シリアル値×24とすれば○時間を出すことができます。
【ポイント】
■ 24時間以上の表記
時刻表記(hh:mm)は24:00になると再度0:00〜からスタートします。(シリアル値は増え
ます。24H=1で終ではありません。)表記が0.00に戻るので、時間の合計が出せない、という初心者の方もいらっしゃいます。
▼シリアル値の足し算
。24:00以上は0:00に戻るので合計が出ない例
このような場合は表示形式を変更します。
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合計セルを右クリックし「セルの書式設定」をクリック
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「表示形式」タブで「ユーザー定義」とし、[h]:mmの形にする
→ 43:29と表示される
■時給の計算
hh:mmは表示上の形で
あり、実際に格納されているのはシリアル値です。ですから時間と時給をかけても実際はシリアル値×時給
であり正確な金額は出せません。(例えば、6時間(6:00)勤務で時給が1000の場合、6:00のシリアル値(0.25)×1000=250円、にな
る)シリアル値を計算可能な時間数値に変換するには24をかけます。
▼ シリアル値×24 =
計算可能な時刻表示 (になる為、時給計算で使える)
時間 |
←のシリアル値×24 |
1:00 |
0.041667×24=1 |
6:00 |
0.25×24=6 |
6:30 |
0.27×24=6.5 |
12:00 |
0.5×24=12 |
24:00 |
1×24=24 |
◎ 例:出勤時刻〜退社時刻から日給を求めよう(時給
:1000円)
出勤 |
退社 |
合計時刻 |
日給 |
9:00 |
15:00 |
6:00 |
6,000 |
9:30 |
15:00 |
5:30 |
5,500 |
9:45 |
17:00 |
7:15 |
7,250 |
◆ 方法(1)
時刻(シリアル値)に24を掛け、時給をかける
合計時間*24*時給
◆ 方法(2)
HOUR関数とMINUTE関数を使う
(HOUR(合計時間)+(MINUTE(合計時間)/60))*時給
補足
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小数点以下をどうするか、については企業の給与システムのルールによります。例えば、6時間46分働いたとすると、計算対象は6:46(0.28…)×24=6.766666667…で
、時給を1000円をかけると6766.6667円になりますが【表示形式】だけで小数点以下を非表示にすると小数点以下第1位を四捨五入した「6767」となります。
小数点以下を切り捨てるのであれば、ROUNDDOWNなども式にいれる必要があります。
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多くの場合、時間はFLOOR関数やCEILING関数で丸めたり捨てたりします。例えば15分単位で退社時刻を捨てるなどです(17:03に退社しても17:00で計算)
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HOUR関数やMINUTE関数を使いたい場合は、24時間以上の時間数と時給をかけるなら、Day関数もネストする必要があります。例えば98時間16分働いたとすると
次の式になります。(DAY(合計時間)*24+(HOUR(合計時間))+(MINUTE(合計時間)/60))*1000
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