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Exchange/Outlook:アイテム保持ポリシー の設定【総まとめ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対象:ExchangeOnline,Outlook,365

ExchangeOnline/Outlookのアイテム保持ポリシーについて 分かりやすくご説明します。

CONTENTS


 

■ アイテム保持ポリシーとは

アイテム保持ポリシーとは、指定期間★1が過ぎたら自動的【オンラインアーカイブメールボックスに移動★2したり【削除】したりできるポリシーです。 容量ひっ迫を防げます。(★1経過日数は受信日又は作成日 )

★2 アーカイブポリシーはインプレースアーカイブが有効の場合にのみ動作

例:3年経過したアイテムはオンラインアーカイブへ移動

例:1年経過した アイテムは自動削除

例:このフォルダのアイテムは削除もアーカイブもしない(永久保存)

「●年でアーカイブへ移動」「●年で削除」といったルール情報は保持タグが持っています。ポリシーはこれらの保持タグを集めたものです。(なので重要なのは保持タグ)

 

既定ではDefault MRM Policyが全メールボックスに割り当てられます(Exchange Online新規ユーザーに自動適用)これに対し私達は次の変更が可能です。

  • Default MRM Policyのタグを変更(有効期間の変更等)又は無効にする【管理者】

  • 新しいポリシーを作成(任意のタグを割り当て)してメールボックスに適用【管理者】

  • 特定のOLフォルダにポリシー(タグ)を割り当てる【ユーザーで可能】

既定(Default MRM Policy)以外のポリシーを適用するならExchange側でタグを追加したポリシーを作成し、メールボックスに適用します又、ユーザーは自身で特定のフォルダにポリシー(※正確には個人タグ)を 適用できます。例えばこのフォルダのアイテムは自動でアーカイブしないといった設定が可能です。

Default MRM Policyには削除済みアイテム フォルダーからコンテンツを自動的に削除する既定のタグは含まれません。

■ タグの種類(3種類)

ルール情報が記載されるタグには3つの種類(既定DPT、既定フォルダRPT、個人)があります。

処理はアーカイブか削除でタグの優先度は強い順【個人タグ】【既定フォルダタグ】【既定タグ】 です。

タグの種類

適用先

既定の既存タグの一例

既定

(DPT)

メールボックス全体

◆ Default 2 Year move to archive  アーカイブ

→ 既定のDPTタグ。適用先はメールボックス 全体。2年経過したアイテムはアーカイブへ移動します

既定フォルダタグ(RPT)

(保持ポリシータグ)

既定のフォルダ

(受信トレイ等)

 

この種類のタグを作成時、割当フォルダを指定。

◆ Juck Mail  削除

指定した既定のフォルダにのみ適用できるRPTタグ。JunkMail適用先は【迷惑メールフォルダ】。迷惑メールフォルダ内のアイテムは30日経過すると削除され回復可能なフォルダへ移動。

 

◆ Recoverable Items 14 days move to archive   アーカイブ

→ 適用先は【回復可能なフォルダ】。このフォルダのアイテムは14日経過するとアーカイブへ移動します。

※インプレースアーカイブが無効の場合は削除

※回復可能なフォルダとは偶発的または悪意のある削除から保護するフォルダ(要は証拠隠滅を防ぐ)

個人タグ

ユーザー作成のフォルダ

個人用のタグはOutlookの任意のフォルダにユーザー自身で適用できます。※個人タグのうち、アーカイブ用は既定のフォルダにも適用可能。削除 用は既定のフォルダには適用できません(既定のDPT、RPTが優先)

Personal Never move to archive  アーカイブ

→ 永久にアーカイブへ移動しない

 

■ シナリオ例

管理者はAll Users Policyというポリシ−を作成し、タグもカスタマイズして次のように格納しました。

  • 2Years move to archive既定タグDPT)対象:メールボックス
    → 2年でアーカイブへ移動(動作:アーカイブ)

  • Junk Email既定フォルダタグRPT)対象:迷惑メールフォルダ
    → 迷惑メールフォルダのアイテムは無期限で削除はしない(動作:削除

  • Deleted Item既定フォルダタグRPT)対象:削除済みアイテム
    → 削除済みアイテムのアイテムは30日で削除して回復可能なフォルダへ(動作:削除

  • Recoverable Items 30 days move to archive既定フォルダタグRPT)対象:回復可能なフォルダ
    → 回復可能なフォルダのアイテムは30日でアーカイブへ (動作:アーカイブ

又、ユーザーは自身で受信トレイ、個人タグであるPersonal Never move to archive(動作:アーカイブ) を適用しました。

 ◆結果◆

タグの優先度は強い順【個人タグ】【既定フォルダタグ】【既定タグ】です。

まず、既定タグである”2年でアーカイブ する”がメールボックス全体に適用 されます。”削除用”の既定タグはここではないので、メールボックス全体に対する削除アクションはありません。

 

「削除済みアイテム」「迷惑メールフォルダ」には削除用の既定フォルダタグが 適用される為、削除済みアイテム内のアイテムは30日で削除(&回復可能なフォルダへ移動 )し、迷惑メールフォルダ内は無期限で削除されません(注:ですがアーカイブ用の既定タグが2年で動作するので結局2年でアーカイブへ移動します。削除用タグとアーカイブ用タグはDPTとRPTでバッティングしません。格納期限が短い方で動作)

 

既定タグより強い既定フォルダタグ「回復可能なフォルダ」では優先さ れるため、回復可能なフォルダ内のアイテムは30日でアーカイブされます。

 

また、受信トレイには優先度最強である個人タグ”Personal Never move to archive”が適用されているので、受信トレイのアイテムは永久にアーカイブされません。

(注:個人用の削除タグは既定のフォルダ(受信トレイや送信トレイ)に適用できませんが、個人用のアーカイブタグは既定のフォルダに適用 できます。よって削除用のDPT(既定)やRPT(既定フォルダ)が受信トレイに適用されていたとしても保存期間が短ければ 個人用アーカイブが優先)

 

■ 既定の保持タグ一覧(既定のタグと動作)

タグの型は3種類あります。

  • 既定(DPT)

    メールボックス全体に適用される既定の削除ポリシーと既定のアーカイブ ポリシー
    例えばDefalut 2 Year move to archiveは既定DPTで2年でアーカイブ ※アーカイブタグ
     

  • 既定のフォルダタグ(RPT)

    指定した既定のフォルダ(受信トレイや削除済みアイテムなど)に適用。

    アーカイブ用の既定のフォルダタグ(PRT)は作成できません。
    ●例:JunkMail → 【迷惑メールフォルダ】に適用。迷惑メールフォルダ内のアイテムは30日で削除されます(回復可能なフォルダーへ移動)※削除タグ
    ●例:Recoverable Items 14 days move to archive →【回復可能なフォルダ】に適用。このフォルダのアイテムは14日でアーカイブへ移動 ※アーカイブタグ
     

  • 個人タグ

    ユーザーが任意のフォルダ (ユーザー作成のフォルダ)に適用可能 。既定のフォルダ(受信トレイや送信済みアイテム、下書きなど)には削除タグは適用できません(アーカイブタグは適用可)

名前と動作

タグ(型)

保存(日)

動作

Default 2 year move to archive

アイテムが2年経過したらアーカイブへ移動

既定ポリシータグ (DPT)

→ DPTはメールボックス全体に動作

730

アーカイブ

Recoverable Items 14 days move to archive

回復可能なアイテムフォルダー内のアイテムは14日 経過したらアーカイブへ移動

既定のフォルダタグ(RPT)

→回復可能なアイテムフォルダーに動作

14

アーカイブ

Personal 1 Year move to archive

1年経過したアイテムはアーカイブへ移動

個人

365

アーカイブ

Personal 5 Year move to archive

5年経過したアイテムはアーカイブへ移動

個人

1825

アーカイブ

Personal Never move to archive

永久にアーカイブへ移動しない

個人

なし

アーカイブ

1 Week Delete

1週間経過したら削除(回復は許可)

個人

7

削除

1 Month Delete

1ヶ月経過したら削除(回復は許可)

個人

30

削除

6 Month Delete

6ヶ月 経過したら削除(回復は許可)

個人

180

削除

1 Year Delete

1 年で削除

個人

365

削除

5 Year Delete

5 年で削除

個人

1825

削除

Never Delete

永久に自動削除しない

個人

該当なし

削除

JUNK Mail

迷惑メール

既定フォルダタグ (RPT)

30

削除

 

■覚えておくべきポイント

  • 管理者がメールボックスに適用するポリシーはボックス全体に作用(削除ポリシー/アーカイブポリシー)

  • アーカイブポリシーはインプレースアーカイブが有効なメールボックスにのみ動作

  • アイテム保持ポリシーとは保持タグが集まってできたルール

  • 既定タグ(DPT=メールボックス全体に適用されるタグ)は1つのポリシーにarchive用のタグ、削除用のタグそれぞれ1つずつ格納可能(DPTで削除タグはあまり作らないかもしれませんが)

  • 既定のフォルダ(受信トレイや送信済みアイテムなど)にはまず既定タグ(DPT)が適用されるが、既定フォルダタグ(RPT)で特定の既定フォルダを指定したタグがあればこちらが優先

  • 個人タグは最強だが既定フォルダに適用できるのはアーカイブ用のタグのみ(削除用の個人タグは既定のフォルダには適用不可(DPTかRPT)

 

■ アイテム保持ポリシーの作成方法(管理者)

  1. 365管理センターコンプライアンスをクリック
    (又はMicrosoft Purview コンプライアンス ポータルへ)

  2. データライフサイクル管理 Exchange(従来型)をクリック

  3. 【MRMアイテム保持ポリシー】で「新しいポリシー」をクリック

  4. 「名前」に分かりやすいポリシー名を入力(例:Never Archive&Never Delete、等)

  5. 「タグの追加」をクリックし、任意の保持タグにチェックを入れ「追加」

  6. 「送信」をクリック

 

■ ポリシーを特定のメールボックスに適用する方法(管理者)

  1. Exchange管理センター → メールボックスをクリック

  2. 任意のユーザー(メールボックス)をクリックし「メールボックス」をクリック

  3. 「アイテム保持ポリシー」にある「メールボックスポリシーの管理」をクリック

  4. 「アイテム保持ポリシー」から任意のポリシーを選択

※ポリシーの内容を変更すると、適用したメールボックスへ自動的に反映されます。

※適用したポリシーはメールボックスに適用されます。既定のフォルダ(受信トレイ等)へはこのポリシーが適用され 、削除ポリシーは変更できませんが、アーカイブポリシーは変更できます(個人用保持タグを設定)

ユーザーが作成したフォルダには親フォルダーのポリシーが継承されますが、自身で変更できます(削除ポリシーもアーカイブポリシーも)ユーザー作成のフォルダには保持 タグのうち「個人」タグを適用することができます。

 

■ ユーザー自身で特定のフォルダにポリシーを適用する方法

※ユーザー自身で個別にフォルダに適用できるのはExchangeに存在する個人用の保持タグのみです。

 

STEP1:ポリシー(保持タグ)を追加する

  1. Outlookを起動し【フォルダー】タブをクリック

  2. 「ポリシー」をクリックし「アイテム保持ポリシーの追加と削除」をクリック
    → OWAでアイテム保持ポリシーが開く(OWAからなら「設定」→「アイテム保持ポリシー」)

  3. 「+新しいポリシーを追加」をクリック

  4. 任意のポリシーにチェックを入れ(複数可)「保存」をクリック
    ここに表示されるのはExchange側に存在する個人タグです。ここでチェックを入れたポリシーの中からフォルダ毎に選択で きるようになります。だけなので全チェックでもOK

 

STEP2:Outlookのフォルダにポリシーを適用する

ー 既定のフォルダ(受信トレイ等)の場合 ー

※注!既定のフォルダにユーザー自身が適用できるのはアーカイブポリシー(正確にはアーカイブ用個人タグ)のみです。

  1. 受信トレイを右クリックし「プロパティ」

  2. 「ポリシー」タブをクリックし、オンラインアーカイブにある「次の日時以前のアイテムをアーカイブに移動する」リストから任意のものを選択する

※ここに表示されるのはExchangeのMRM保持タグのうち、「個人タグ」で「アーカイブ」用のもののみです(←のうちSTEP1で追加したもの)

ー ユーザー作成のフォルダの場合 ー

  1. フォルダを右クリックし「プロパティ」

  2. 「ポリシー」タブをクリックし、フォルダーのポリシーを選択し「OK」をクリック

    ※ここに表示されるものはExchangeのMRM保持タグのうち、「個人タグ」で「削除」用のものです(←のうちSTEP1で追加したもの)

※尚、ポリシーの変更には24Hかかる場合があります。

参考URL:ExchangeOnlineアイテム保持ポリシーを作成する

 

■ PowerShellでアイテム保持ポリシーを指定

1. PowerShellを起動しExchangeOnlineに接続(初めてPSで接続する人はこちら

Connect-ExchangeOnline -UserPrincipalName xxx@xx.com

 

2. ポリシーを指定する

Set-Mailbox -Identity メールアドレス -Retentionpolicy “ポリシー名”

 

例:2年後にアーカイブへ移動するポリシー名がMRM Policy (2 Year)なら・・・

Set-Mailbox -Identity アドレス -Retentionpolicy “MRM Policy (2 Year)”

 

デフォルトポリシーに戻すなら

Set-Mailbox -Identity アドレス -Retentionpolicy “Default MRM Policy”
 

現在のポリシ−を確認する なら

Get-EXOMailbox -Identity アドレス -PropertySets Policy | select RetentionPolicy

参考URL


 

 

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