MS-IMEでは、変換候補に「環境依存文字(Unicode)」などとコメントが表示されることがあります。
これはどういう意味なのでしょうか。
環境依存文字…Shift_JISで表現できる
★文字化けの可能性は少ないがJISX0208には含まれていない為コメントが付く
環境依存文字(Unicode) …
Shift_JISで表現できない(Unicodeでは表現可能)★環境により文字化け
■ Windows7/10で表現できる日本語環境について
Vista以降、XPよりも多くの文字を標準のフォントで表示
できます。XPではひらがな、カタカナ、第1水準・第2水準の漢字を収録したJIS X 0208という文字集合を標準サポート★注していましたが、Vista以降このJIS0208に更に第3水準・第4水準の漢字や記号などを加えたJIS
X 0213(の2004年度改正版で通称JIS2004)という文字集合を標準サポートしています。(以後JIS2004と記載します。)
例えば、「」(JIS2004収録・第3水準漢字)などの漢字をMS明朝やMSゴシックで表現できたり、「かつしか」と入力するとXP(JIS0208)までは「飾」と表示されたものが「飾」と表示されるようになりました。
★注
標準サポートとは、OS付属の一般的な日本語フォントで表示できることを指します。Vista以降、JIS2004に収録されている第3水準・第4水準の漢字をMS明朝、MSゴシック、
メイリオ、游明朝など一般的なフォントで表現できるようになり、JIS2004で変更された推奨字形(例示字形)もこれらのフォントで表現
できます。ただ、そもそもこれらの文字(第3・第4水準の漢字)は実はXPでも表現できました。なぜなら「JISの第3・第4水準の漢字
」として定義される前にUnicodeとしてCJK統合漢字や拡張領域に収録されてい
るからですし、JISX0212もサポートしています。ですからCJK統合漢字を表現できるフォント(NEW
GulimやSimSun)でUnicodeに対応しているアプリケーション(Word等)であれば表現可能だったわけです。(Vista以降一般的なフォントで表現可能になった、例示字形に従って168文字の字形が変わった、ということです。)
■ JIS2004対応で起こりえる問題とは(WindowsVista,7,8,10)
Vista以降、JIS2004を標準サポートするため、一般的なフォントで軽く使えてしまいますが、JIS2004に含まれる第3,4水準漢字はUnicodeに含まれており、UTF-8やUTF-16をサポートしていない
環境では化ける可能性があります。またJIS2004で例示字形が変更された字はOSによっては異なる表示になってしまいます。
→
これらはJISX0213に含まれ通常のフォントで表示できるが、ANSI(日本語版Windowsで言うShift_JIS)で保存すると文字化けする。
→ JIS2004では例示字形が変わったため、異なる形で表示されています。
文字コードは同じであり、見る側の環境に依存するため回避することはできません。(見る側でJIS2004対応のフォントにするか、JIS90対応のフォントにするかを選択(インストール)することは可能です。)
■ トラブルを回避するための「環境依存文字(Unicode)」コメント
入力できても文字化けは困ります。このようなトラブル回避の為、MS-IMEでは変換時にJIS
X 0208以外の字には「環境依存文字」のコメント、更にShift_JISでも表現できない字には「環境依存文字(Unicode)」のコメントを表示し「こ
の文字は環境によっては文字化けするよ」と注意を促します。
→詳しくは「環境依存文字と環境依存文字(Unicode)の違いは?参照
■ 環境依存文字を入力できないようにするには
文字化けする可能性のある字はそもそも入力できないようにしたい、という場合は変換候補から除外できます
(JIS X 0208以外の文字は変換候補に表示されなくなる)
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言語バーの「ツール」ボタンから「プロパティ」をクリック
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「変換」タブ−「変換文字制限」をクリック
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「JIS X 0208文字で構成された単語/文字のみ変換候補に表示する」をクリックし「OK」をクリック